Liebe


「りんご飴というか……火の、玉?」

たくさんのりんご飴が、屋台に並べられていた。
しかし全てのりんご飴から炎が出ていた。

どこからどう見ても、屋台が燃えているようにしか見えない。
エリーは唖然としている。

「あれ、美味しいの」

サラが無表情のまま伝える。
エリーは唖然とした表情のまま、サラを見て、再びりんご飴に視線を移した。

「た、食べられるんですか……?」

「やっぱりそう思うわよね」

「僕も小さい時は不思議だったなぁ」

アンナやダニエルが楽しそうに言う。

「あれ、うちの名物。食べられる炎なんだ」

シェルがそう説明をするが、エリーの目は燃えているりんご飴の姿を捉えたままだ。
よほど衝撃を受けたのだろう。
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