Liebe
「お前んとこだって、空飛べんだろ?」
「は、はい! 飛びました!」
「それと似たようなもん。形が違うだけで」
「それぞれの都には、それぞれの特徴を活かした物や技術があるんだよ」
シェルとダニエルの言葉にエリーは頷いた。
「なるほど……」
食べられる炎。
挑戦するのは少し怖いが、是非食べてみたいとエリーは思った。
そうこうしているうちに、順番がやってきた。
心臓の鼓動を抑えるように、エリーは胸に手を当てる。
やっぱり屋台は思い切り燃えている。
熱くて、暑い。
リヒトは顔を歪ませている。
屋台の赤髪のおじさんに向けて、アンナが口を開いた。
「六つください」
「あいよ」
そう言って前方で燃えている中に手を突っ込むおじさん。
エリーが心配そうにそれを見つめる。
しかしおじさんは平気そうにりんご飴を掴んでは皆に渡していく。
そして最後におじさんはエリーにりんご飴を渡した。
「あ、ありがとうございます」
屋台の近くはすごく暑いが、手に持ったりんご飴はそれ程熱さが感じられない。
エリーは不思議そうにしながら、列を抜けた皆の後に続く。