Liebe

「何してるの」

「……ちょっと頭ぶつけただけだ」

シェルが頭をがしがしとさすりながら、笑ってみせる。

「……そう」

サラはエリーに視線を移し、わずかに微笑んだ。

「いらっしゃいませ」

「ど、どうも」

何て言っていいかわからず、店の中に入りながら曖昧に挨拶を交わす。
サラは茶色いエプロンをして、髪を一つに束ねていた。

そんな姿も美しいと思い、エリーは見とれる。

「お店の片付けは?」

サラが首を傾げてシェルに聞く。やはり片付け作業があるのだ。

「きょ、今日はエリーに街を案内しようって思って」

へへ、と笑いながらエリーの肩を抱く。
サラは「そう」と言って中を見せるようにして手をわずかに上げる。

「どうぞ、見ていって」

「ありがとうございます」

そう言ってエリーは改めて店内を見回す。

外装もレンガで可愛い雰囲気だったが、中も同様に可愛い雰囲気だ。

食器や時計、帽子やアロマキャンドル。
様々なもののたくさんの種類が並べられている。

エリーは興奮したように少し頬を赤らめながら店内をゆっくり歩いて回る。
それについていきながら、シェルも店内を見る。
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