Liebe
「ウィリアムさん、眠ってください」
「……大丈夫だ」
「ダメです。眠ってください」
譲らないエリーの口調にウィリアムは意外そうにエリーを見た。
そして諦めたようにふっと笑った。
「……わかった」
エリーは安心したように口元に笑みを浮かべ、膝元をぽんぽんと叩いた。
「よろしければ、どうぞ」
「……」
「ウィリアムさん?」
黙り込むウィリアムにエリーは不思議そうに首を傾げる。
リヒトはエリーに呆れた視線を送っている。
「……正気か」
「座ったままだと疲れが取れないかと思ったんですが……」
「……」
しばらく二人は無言で見つめ合う。
そしてウィリアムは深くため息をつき、ゆっくりと立ち上がった。
エリーの隣に座ると、ウィリアムは再びため息をつく。