ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
ダイはユミのちょっと年の離れた弟で、小さな頃からよく知っていた。
ダイはお姉ちゃんっ子だったから──。
泣いて喚いてユミについてきたりして、ユミと一緒に3人でよく遊んだりしていた……というより、お人形を連れ回していたという感覚だったかもしれない。
一人っ子だった私は、弟の様にダイを可愛いと思っていたのも事実。
「なんか、ムカつく」
なんて車のハンドルを握るダイが唇を尖らせる。
その瞬間、思いっきり自宅と逆の方向へハンドルをきられて身体が少しだけ前のめりになった。
「ちょ、ちょっと、ダイ?」
「……」
「何処行くの?」
「……」
「ねぇ、家あっちなんだけど!」
「知ってる」
「じゃぁ……」
「今晩、付き合ってよ」
車内にダイの不貞腐れる様な声が響き渡る。