ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
「ダ、ダイ?今……」
「……」
田舎とはいえ駅周辺に何人か通行人はいる。
公衆の面前でこんな事をすれば、興味本意で注目を受けるのは当たり前の事。
酔っ払いのオヤジがとか会社帰りのOLがどうとか、そんな周囲の反応は風景に同化してぼんやりとしている。
なのにダイの姿だけはハッキリと、私の瞳に入ってきた。
気恥ずかしそうに、まるで悪い事をしてしまった子供の様な表情をしている。
でも、視線だけは私にしっかりと向けていた。
あれ、既視感……?
いや、違う。前にもどこかで見た事がある様な。
──アリカのばーか !!
紺色のランドセルを背負った男の子が、顔を真っ赤にさせてそう叫ぶ姿が頭に思い浮かんだ。
「……ちょッ」
口元に手を当てられた瞬間、指が侵入して思いきり口を開かれる。
その隙間から深いキスが降り注いできた。