ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
ウェンディーに恋をして
小学生のキミ
「アリカ、やったねー!」
「ユミも受かって良かったよー!」
東京の大学が決まって、ユミと2人で大泣きした事は昨日の出来事のように思い出せた。
多分、その日に私が地元を出る話がダイに伝わったんだと思う。
「アリカ、東京行くのか?」
大学の合格発表の次の日だった。
ランドセルを背負っていたから、多分小学校の帰り──。
「俺、アリカが好きだ!!」
生意気だけど弟のように可愛いダイからの告白は、もちろん冗談にしか聞こえなかった。
「うん、寂しくなるね」
そう言って頭を撫で下ろせば、
「ちげーよ!バーカ!!」
なんてダイの言葉と共に私の右手は振り払われた。
「え……?」
「……」
「あ、無理」
目の前で気恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている小さなダイを見て、本当の恋か分からない様なダイの小さな想いに気が付いた。