ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~



「先週、アリカがでろでろに酔っ払っちゃったとき?」

「……そんな酷かった?」

「手のつけどころも無かった!」


なんてユミがきっぱりと言い切るから、自分が情けなくなってきた。



「ま、まぁ。よく覚えてないんだけど!ダイにお世話になったからご飯奢ったの」

「えー、そうだったの?」

「その時そういう話になって」

「ダイも図々しい奴だなー」

「あー、まぁ昔話で盛り上がっちゃってさ!」


うん、嘘は言っていないぞ。



「ふーん」


なんて向けられたユミの視線は一瞬痛い気がした。
けど、その視線はすぐにユミ自身の手元の絵本へ目が向けられたから気のせいだと信じたい。

ユミが"絵本の読み聞かせって胎教にいいんだー"なんて柔らかな笑顔を見せるから、ダイとの関係を内緒にしていることに胸が少し痛んだ。


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