ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~



視線を落とせば、まだ膨らみのないお腹が目に入る。


「あの……さ、」

「お願いが……」


ユミに視線を戻してから再び唇を開くと、私とユミの台詞が丁度重なった。



「あ……」

「何?」

「ユミ先いーよ?」

「そう?じゃぁさ、お願いがあるんだけどね」

「うん」

「結婚式をね、12月に予定してるの」

「えー!!」

「来てくれる?」

「何言ってんの?当たり前じゃん!」


"行く行く絶対に行く!"なんて台詞を続けて叫んだところで、



「でさ、早いんだけどアリカに友人スピーチ頼もうと思って」

「……え?」


凄く断りたいけど断れない役割を頼まれる事となる。



「アリカに友人スピーチを」

「はぁ??」

「よろしくね!」

「ええええぇ?」

「で、アリカの話って」

「い、今のでふっとんだ!」

「ごめん、ごめん」


ユミは、あははーなんて全く悪気のみられない笑い声をあげた。


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