ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
冬の冷たい空気が肌を差して、昼過ぎだというのに白い息が吐き出される。
パーティー用のドレスだから余計と寒さを感じるのだろう。
「アリカ、久しぶりー!!」
「きゃー、元気だった?」
県外で結婚した地元の友達と久しぶりの再開は、いくつになっても高い声が響き渡って懐かしい気分になる。
車で20分程の結婚式場は数年前に建てられたとこで、真っ白な外壁に教会の横にたつ可愛らしいチャペルが印象的なもの。
「式はこっちだってー」
「今、何やってんの?」
「子供は何歳になるんだっけー?」
なかなか会えないものだから、話題は尽きなくてわいわい騒ぎながら大きな扉の向こうへ足を踏み入れた。
教会の中には大きなステンドガラスとパイプオルガン、それに教壇の前には牧師さんが既に立っている。
ユミが結婚してしまう事に急に現実味が増して、胸がしんみりしてきて思わず足元に視線を落とした。
顔を上げれば、新婦側の前の方にユミのお母さんとその隣にダイが座っている姿が見えた。