ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
「ダイ……」
振り返ればすぐ後ろには、ビールを片手に持つダイが立っていた。
披露宴中はダイは親族席だし、スピーチもあって緊張していたから殆ど話せなかったんだよね。
「うわ、ダイ君?大きくなったね!いくつだっけ?」
「21だよ」
「えー!こんな大きくなっちゃってびっくり」
なんて、ユミの弟の存在を知る友人逹がダイを囲みはじめる。
ダイはもちろんスーツ姿。
紺色のジャケットに紫のストライプのネクタイを緩めたというちょっとチャラい感じなのだけど、格好良く見えてしまうスーツマジックが憎い……。
「な、何で姉の結婚式の二次会なんて来てんのよ?」
"普通来ないでしょー"なんて唇を尖らせた。
「あー、母ちゃんがユミが心配だから行けって……」
ユミのお母さんなら言いかねないと納得したところで、
「それに」
ダイがチラリと私に視線を向ける。
「それに?」
「……」
「あ、私に会いたかったとかー?」
ダイが黙り込むものだから、私はからかい半分に口を開いた。