ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
声の主の方へ振り向いてみれば、確かに会った事のある男の人が立っていた。
「凄い偶然だね」
「あ……、」
スラリとした体格ににっこりと自然な笑顔を向ける。
名前は忘れてしまったけど。
あの時の、三好ちゃんに連れられて行った合コンにいたあの人だとすぐに分かった。
何度か連絡はきていた。けど、気が進まなかったのと本当に忙しかったから"あの日"以来になっていたのだ。
「俺は、小林と地元が一緒でさ……」
「あ、お久しぶりです!私はユミと友達で」
「忙しかったらしいね。なかなか会えなかったけど……」
そう話し続けるものだから、外野はもちろん黙ってなんかくれない。
「あー、すみませ……」
「アリカ、知り合いなのー?」
"すみません"という私の言葉は高い叫び声に遮られてまう。
「えー、誰?誰?」
なんて、さっきまで知らない人達に囲まれて、近付けなかったユミまでもがこの輪に入ってきた。