ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
「ユミ!いつの間に?」
「アリカ、この人IT企業につとめてるんだよ」
せっかくユミと話せる機会がまわってきたのに。
"チャンスじゃん?"なんてユミが耳打ちしてくるから、そのすぐ隣に立っているダイの視線が切実に痛い……。
「まだ未婚なんで、この子オススメしまーす!」
周りの子達も結婚してるからって、余裕でこんな発言をしてくる。
「いやいや、アリカちゃんにも選ぶ権利あるからねー」
目の前の男の人も酔っ払ってるから軽いノリで笑い声を上げた。
「あ、ははは……」
このめでたい雰囲気に居心地の悪い私は、苦笑いしか出てこない。
足元に視線を向けた時、私の頭に大きな手がポンとのせられる。
「焦んなくていーんだよ。コイツは俺が貰うんだから!」
ダイのとんでもない台詞が響き渡った。