ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~


薄手のタイツのまま公園の中を走れば、足先からひんやりとした砂の地面が痛い位に伝わってくる。
寒い筈なのに、気分がふわふわと上がってきた。



「えーと、何処に隠れよう……」


真剣に隠れる場所を探してしまいのは、アルコールが入ってるからなのだろうか。

公園の中には、音の出るブランコに新しくペンキの塗られたジャングルジム。それとワニの形をした滑り台しか無い。


この公園で隠れる場所なんて小さな頃から決まっているんだ。


滑り台の下の小さなトンネルの中に身を潜めて、お尻が地面につかない様にしゃがみ込む。



「せっま……」


子供の頃は大きく感じたのに、こんなに窮屈になってしまったんだ……。

小さなトンネルの穴からぼんやりと顔を上げれば、空には月が浮かんでいる。


冷たい澄んだ空気が、より夜月を綺麗にうつし出していた。


< 86 / 124 >

この作品をシェア

pagetop