ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~
ダイの甘くて低い声が耳元で優しく響く。
手足は凍える様に冷たいままなのに、身体の中心が熱くなっていく。
「ダ、ダイはずるいよ」
ズルい、ズルい。
こんなタイミングに言うなんて。
「アリカのが、ずりーじゃん」
「……」
「返事、先伸ばしにしてさぁ。宙ぶらりんなままじゃねーか」
「……」
「なぁ、アリカ」
「……」
「俺はまだ学生だから、すぐに結婚とかは無理だけどさ」
「……」
「ちゃんと働くようになったら結婚して、ください……」
語尾が小さくなっていったダイの台詞が、ダイの腕が震えているのが伝わってきた。