弟はドラゴンで
「……最近、大丈夫か」
龍が、突然そんな質問をしてきた。
「え、なにが?」
当然、なんのことを言っているのかわからない私は、そう返すしかない。
「……あの、柳ってやつ。なんか関わってきてない?」
龍の口から出た話は、柳くんのこと。
「え?あぁ、それが……最近やたらと声かけられるんだよね」
「どんなふうに?」
「え、えっと……廊下ですれ違ったりとかした時も、移動教室の時とかも、体育終わってからとかも。1回、お弁当一緒に食べない?って誘われたし。今まで全然喋ったことなかったのに……パンケーキ屋さんの時会っただけで、そんな仲良くなるものなのかな〜」
「……やっぱり……」
「?」
なにか深刻そうな顔をしている龍。
「あいつに何か誘われても、ついてくなよ。」
「え?う、うん」
めずらしい。
どうしたんだろ、こんなに真面目になっちゃって。
龍の考えてることが……よくわからない。