364日の嘘と、たった1日の真実
私があなたの恋人じゃなければ…何か違った?
私がただの幼馴染のままでいたなら…私を庇ったりしなかったかもしれない。
優しい翔なら庇ってくれたかもしれないけど…
一緒に帰ることはなかったかもしれない。
少なくともこんな事故に巻き込まれなかったはず…
わざわざ反対方向まで送ってくれたりはしないだろうから。
不相応なものを追い求めた結果がこれ…
ずっと、幼馴染のままでいればよかったのかな?
そしたら…今までのポジションから翔を見守れただろうし、その笑顔を見られた。
翔…もう一度、あなたの声を聞かせてください…
私は知っていたけど、気がつかないふりをしてた。
忘れたふりをしてた。
その方が楽で、くだらないことを笑ってられたから。
何気ない日常が、幸福が…こんなにもあっさり崩れるものだったことを…
お母さんが死んだ時、私は知ったはずなのに。
この思いを知ってるのに…
それなのに、こんなにも…こんなにも苦しい。