愛してるから、私を忘れて。



その声は、なのの声によく似ていた。


「優くんよね。私、菜花の母親です。」


「あ・・・。」


確かに、声も顔も似ている。


「今日は、来てくれてありがとうね。」


おばさんは、微笑みながら言う。


でも、目元には隈があり、目は充血し、瞼は腫れていた。


「一週間前までは、本当に元気だったのよ。」


「一週間前・・・?」


「そう、一週間前に、お医者さんに余命は一週間って言われたの。」


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