恋は、秘密主義につき。
「で? 美玲はそれで、今日はご機嫌なの?」
やれやれっていう顔で、溜め息雑じりに小さく笑う一実ちゃん。
そんなに浮かれて見えるのかと急に恥ずかしくなって、しどろもどろになった。
「え、っと、あの、だって、すごく嬉しかったんです・・・っ」
「泣いたり笑ったり忙しかったみたいね、その様子じゃ」
紳士ものの財布を手に取って眺めながら、クスリとされる。
本当に。急転直下のジェットコースターに乗せられたみたいに、落ちたり昇ったり。自分があんな風になるなんて、思ってもいなかった。どうして佐瀬さんにだけ、予想もつかない感情で揺さぶられるんでしょう。
愁兄さまやふーちゃんは、ずっと子供の時から一緒だから?
征士君も10年ぶりだけど、昔はあんなに仲が良かったわけですし。
佐瀬さんは私の周りにはいなかった感じの人で、分からないことだらけ。
・・・だからなんでしょうか。
もっと彼を知ったなら。その時の私はどんなふうに。
ふと。思ったのでした。
やれやれっていう顔で、溜め息雑じりに小さく笑う一実ちゃん。
そんなに浮かれて見えるのかと急に恥ずかしくなって、しどろもどろになった。
「え、っと、あの、だって、すごく嬉しかったんです・・・っ」
「泣いたり笑ったり忙しかったみたいね、その様子じゃ」
紳士ものの財布を手に取って眺めながら、クスリとされる。
本当に。急転直下のジェットコースターに乗せられたみたいに、落ちたり昇ったり。自分があんな風になるなんて、思ってもいなかった。どうして佐瀬さんにだけ、予想もつかない感情で揺さぶられるんでしょう。
愁兄さまやふーちゃんは、ずっと子供の時から一緒だから?
征士君も10年ぶりだけど、昔はあんなに仲が良かったわけですし。
佐瀬さんは私の周りにはいなかった感じの人で、分からないことだらけ。
・・・だからなんでしょうか。
もっと彼を知ったなら。その時の私はどんなふうに。
ふと。思ったのでした。