恋は、秘密主義につき。
施設内にあるオープンカフェ風の珈琲ショップで一休み。
一実ちゃんはアイスラテ、私はアイスオレ。プラスチックカップに刺さるストローに口を付けながら、まったりと。
時間を見ると3時40分を過ぎたところで。2時間も歩き回っていたけれど、あれこれお喋りしていたからあっという間に感じる。
「そう言えば、佐瀬サンの誕生日っていつ? 彼にはあげないの?」
一実ちゃんがふと思い出したように、可愛らしく首を傾げた。
瞬きを忘れたついでに、呼吸まで。
思ってもみなかった。
そこまで考えが回っていませんでした。むしろ仲良くなれるかなれないかばかりが、気になって。
「訊いてないです~っ。あげたいですけど、迷惑になりませんかぁっ?」
目を潤ませて一実ちゃんに縋れば。
「もらって悪い気はしないわよ。今日もどうせ迎えに来るんでしょ、訊いてみれば?」
簡単に言われてしまいました。けれど。
佐瀬さんは教えてくれるでしょうか。
少し不安になる。
愁兄さまや征士君と違って、まだ距離感が上手に保てていない気がして。
あのひとのことを思う時はいつも。葉っぱの小舟に揺られて波間を漂うみたいに、心許なくなるのです。
一実ちゃんはアイスラテ、私はアイスオレ。プラスチックカップに刺さるストローに口を付けながら、まったりと。
時間を見ると3時40分を過ぎたところで。2時間も歩き回っていたけれど、あれこれお喋りしていたからあっという間に感じる。
「そう言えば、佐瀬サンの誕生日っていつ? 彼にはあげないの?」
一実ちゃんがふと思い出したように、可愛らしく首を傾げた。
瞬きを忘れたついでに、呼吸まで。
思ってもみなかった。
そこまで考えが回っていませんでした。むしろ仲良くなれるかなれないかばかりが、気になって。
「訊いてないです~っ。あげたいですけど、迷惑になりませんかぁっ?」
目を潤ませて一実ちゃんに縋れば。
「もらって悪い気はしないわよ。今日もどうせ迎えに来るんでしょ、訊いてみれば?」
簡単に言われてしまいました。けれど。
佐瀬さんは教えてくれるでしょうか。
少し不安になる。
愁兄さまや征士君と違って、まだ距離感が上手に保てていない気がして。
あのひとのことを思う時はいつも。葉っぱの小舟に揺られて波間を漂うみたいに、心許なくなるのです。