恋は、秘密主義につき。
連れて来てくれたのは、高い吹き抜けの開放感が人気だって聞いたカフェレストラン。
商業ビルの一テナントだけれど、日曜日のしかもお昼時で長い行列が出来ている。愁兄さまはそれには構わず、受付の店員さんに微笑みながら断り、私の手を引いて中へと入って行った。

ガラス張りの窓際の方へそのまま向かうと、4人掛けの席からこっちに手を振る男性二人組が。

「愁一さん、レイ!」

そう呼びかけたのはヨウ君こと、一つ下の燿一(よういち)君。隣りで黙って手を上げていたのはヒサ君こと、三つ上の比佐志(ひさし)君だ。
ちなみにこの二人は兄弟ではなく、顔を合わせている4人とも従兄弟だとか又従兄弟だとか。愁兄さまに至っては、もっと複雑だったりします。

私は目を丸くしながら二人を見やって、兄さまと向かいに腰掛けた。

「びっくりしましたー。どうしたんですか?、揃って」

すると、ヨウ君がニンマリ笑う。

「ゆうべ、愁一さんからグループでラインが来たんだよ。『明日、美玲とデートしたい人、この指止まれ』ってさ」
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