恋は、秘密主義につき。
髪はツーブロックでサイドを刈り上げ、トップにパーマをかけた、スタイルもダンサーぽい風貌のヨウ君。実は、新進気鋭のグラフィックデザイナーさん。
楠田の人間だからと言って、全員が議員か関連会社に勤めてるわけでもなく。自分の好きな道に進んでる人も多い。

「レイのことだから、愁一さんと二人きりのが良かったって思ってんだろ」

思いっ切り図星です・・・・・・。
顔を赤らめ、横目でチラと愁兄さまを窺えば、目が合ってふわりと笑まれた。

「僕も本当はそうしたかったんだけど。美玲を独り占めにすると、みんなに怒られるからね」

緩くウエーブがかった髪を後ろに流し気味にして、知的な雰囲気が漂ってるのも素敵です。
また、ぼんやりと見とれていたら。今度はヒサ君から呆れたように突っ込まれてしまう。

「・・・どんだけ愁さんが好きなんだ、オマエ」

「そんなの言えません~」

「相変わらず、重度のブラコンだな」

溜め息を吐きながら素っ気なく言われるのも、ヒサ君はいつもこんな感じで。
日焼けした肌に短めの髪。Tシャツにジーンズで、腕も逞しいし、力仕事系の人にも見える彼は一端の花火職人さんだったりします。


自分の力でもなく、ママに言われるままに身内の会社に勤めて。
お祖父さまの愛情のままに結婚をする。
私とは違って、みんなはちゃんと自分で決めた道を一直線に向かっているから。・・・これでいいのかって気持ちに、追いかけられる時もあるけれど。
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