恋は、秘密主義につき。
4人ともエッグベネディクトのランチプレートを美味しくいただき、それぞれに食後のデザートがテーブルに並ぶと、「で?」と真っ直ぐに射貫く眼差しでヨウ君が私を見やった。

「鳴宮征士とデートしたんだって? 許婚ってアレ、本気だったんだ、じーさまは」

「本人も本気だったみたいです・・・」

ティカップをソーサーに戻し、小さく苦笑いを返した。

「会わなくなってから、何も言われてなかったのですっかり忘れてましたけど。でも征士君はずっと、そのつもりでいてくれたんですよね」

昨日の彼の笑顔や表情を思い出すと、申し訳ない気持ちがじわじわと滲んでくる。

「・・・要はオマエが結婚したいかしたくないか、だろ。嫌なら断れよ」

ヒサ君がにべもなくバッサリ。
嫌じゃないから、困ってるんですー。
目をウルウルさせると、横でヨウ君も溜め息雑じりに。

「恋愛偏差値がマイナスだもんな、レイは。言っとくけど、愁一さんにも責任あるっしょ。このブラコン娘、どーする気? レイの基準て、愁一さんじゃん。誰も勝てないってコトで、ハイおしまい!」

えぇ~っっ、お終いにしないでください~っっ。
胸の中で、私の叫びが虚しく響き渡った。
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