恋は、秘密主義につき。
いつ意識が途切れたのかも、記憶にありませんでした。
気怠く重いのは頭の芯だけじゃなくて、足の爪先まで力が何も入らない。
まるで砂漠を横断して来たのかと思うほど喉が渇いているけれど、指一本動かすのも言うことを聞いてくれそうにないほど。
躰にはずっしりとしたものが巻き付き、後ろの髪に埋もれるみたいな寝息を感じた。
佐瀬さんに背中から抱かれたままなんだと、ぼんやりと。
ずっと離さないでくれる安心感に、だんだん微睡みが戻ってきて。
もう一度眠りに引き込まれていました。
・・・今度はとても安らかな気持ちで。