恋は、秘密主義につき。
兄さまに打ち明けたら。その先はどうなるでしょう。
目の前はもう断崖絶壁で道がないのかもしれない。
貴方と引き離されて、連れ戻されてしまうかもしれない。

でもどうか。

「・・・・・・忘れないでくださいね。私も佐瀬さんのものです」

だから何があっても。

「もう他の誰のものにも、なれませんから・・・」

しっとりとしたキスが離れ、目を合わせて私が微笑みかけた時。
貴方は何を思っていたんでしょう。

どこか手を伸ばして包みたくなった、・・・その儚げな眼差しの奥で。




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