恋は、秘密主義につき。
考える自由も選ぶ権利も私にはあるのだと、二人は教えてくれた。
臆病に尻込みをして、勝手に自分を狭くしなくてもいい。・・・そんな風に。

「答えを焦る必要はないんだよ。美玲が幸せにならないなら、何ひとつ意味が無いんだからね。ゆっくりで構わないから、間違わないようにしなさい」

愁兄さまが淡く微笑んで言ってくれた言葉を、大切に仕舞いこむ。
征士君も私のペースに合わせると言ってくれたし、私は私でいいとも。

胸の内で深呼吸をする。

「・・・兄さま。ヨウ君もヒサ君も、ありがとうございます。肩の力を抜いて、気負わずに征士君と向き合ってみますね」

どんな答えに行き着いたとしても、後悔だけはないように。
誠実に向き合って、兄さま達にきちんと自分を誇れるように。

私は晴れやかな気持ちで笑顔をほころばせた。


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