恋は、秘密主義につき。
そのあとは他愛もないお喋りを沢山して。カフェを出てから4人で、ビル内のショップを見て回った。

「レイ、ちょっとこれ着てみなよ」

レディースファッションのショップで目に付いた服を私に試着させては、着せ替えを楽しんでるヨウ君。

どこかに消えたかと思ったら、「似合いそうだった」と和装の髪留めをプレゼントしてくれたヒサ君。

愁兄さまは、ずっと手を繋いでエスコートしてくれていた。
他の人達からは、どう見えてるんでしょう。どぎまぎしながら。


ウィンドゥショッピングを十分に楽しんで、陽も傾いて来た頃。名残惜しかったけれど、ヨウ君達とお別れして、私は兄さまに家まで送ってもらうことにした。

「美玲」

スムーズに車を走らせながら、やんわりした声で呼ばれて。
前に視線を向けたままの兄さまの横顔を、遠慮なく見つめてしまう。

「これからは鳴宮君と出かける時は、必ず前もって僕にも教えてくれるかな。どんな些細な情報でも、共有している方が色々とアドバイスしてあげられるからね」
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