恋は、秘密主義につき。
「佐瀬さん、お待たせしました・・・っ」
「あー・・・終わったか?」
横目だけを向け。紫煙を逃すと、もみ消した吸い殻を携帯灰皿に放り込む貴方。
「帰るぞ」
気怠げに寄りかかっていた体を起こし、運転席のドアに手をかけたのに倣って、私も助手席に乗り込んだ。
躰を傾けてシートベルトに手を伸ばすと、視線の先に征士君が映る。車が動き出すまで見送ってくれるつもりらしく、ゆっくり滑り出したウィンドウ越しに笑顔で手を振り合いました。
ロータリーを回り込んでいく車の、テールランプをじっと見つめる彼の思いなど。・・・知る由もなく。
佐瀬さんはいつもと変わりなく。何も訊いたりはしません。
黙ってハンドルを握り信号待ちで時折、目だけを合わせる。
陽も延びて、定時で寄り道もない時は、辺りがまだ薄明るい帰り道。
7時を過ぎた今は闇が降りて、街灯もない路肩に停めた車の中で覆い被さられていても、傍目にはつかない。
「・・・んっ・・・ッ・・・」
弱い舌先を追い詰められて、口を塞がれたままくぐもった声が漏れ出る。
荒々しく貪られることもあれば、こんな風に。じわじわと狩られるみたいな攻め方に翻弄されたりする。
「あー・・・終わったか?」
横目だけを向け。紫煙を逃すと、もみ消した吸い殻を携帯灰皿に放り込む貴方。
「帰るぞ」
気怠げに寄りかかっていた体を起こし、運転席のドアに手をかけたのに倣って、私も助手席に乗り込んだ。
躰を傾けてシートベルトに手を伸ばすと、視線の先に征士君が映る。車が動き出すまで見送ってくれるつもりらしく、ゆっくり滑り出したウィンドウ越しに笑顔で手を振り合いました。
ロータリーを回り込んでいく車の、テールランプをじっと見つめる彼の思いなど。・・・知る由もなく。
佐瀬さんはいつもと変わりなく。何も訊いたりはしません。
黙ってハンドルを握り信号待ちで時折、目だけを合わせる。
陽も延びて、定時で寄り道もない時は、辺りがまだ薄明るい帰り道。
7時を過ぎた今は闇が降りて、街灯もない路肩に停めた車の中で覆い被さられていても、傍目にはつかない。
「・・・んっ・・・ッ・・・」
弱い舌先を追い詰められて、口を塞がれたままくぐもった声が漏れ出る。
荒々しく貪られることもあれば、こんな風に。じわじわと狩られるみたいな攻め方に翻弄されたりする。