恋は、秘密主義につき。
切り立った崖の上。半歩も後ずされば奈落の底へ真っ逆さま。・・・そんな心境でした。
どうして知っていたのかを訊ねる意味すらありません。
なにかを計算する知恵もなければ、情に訴えても通用しないことは自分が一番よく知っています。
容赦なく追い詰めるふーちゃんの真意がどこにあるのか。
見えない切っ先を喉元に突き付けて、そのまま掻き切るつもりなのか。その刃を翻し、立ちはだかるものを薙ぎ払ってくれるつもりなのか。
味方じゃないとはっきり言われたら。
どうしたら。
どうしたら・・・っっ。
震えてしまいそうなのを、堪えるだけで必死な私の顎に手をかけ、くいと上向かせるふーちゃん。
綺麗な顔がとても無慈悲に見えて。それでも目を逸らすまいと懸命でした。
許されなくても。
私の想いは本物だから。
抱きしめて決して離さずに、一緒に奈落の底に落ちていくから・・・!
胸の奥の奥で、きゅうっと何かを強く噛みしめ。
勇気を振り絞る。
「言える時がきたら言おうと思ったの・・・。佐瀬さんの過去を知れば、お祖父さまだって許してくれないことくらい私だってわかってるもの・・・!」
「ヤクザだったって、知ってて好きになったなんて言わないよね?」
突き刺す冷たい眸。低い声。
こうなった以上どうなってもかまわない、と開き直りに似た覚悟も生まれ始めていたのかもしれません。伏せ目がちに、私はありのままの気持ちを曝け出す。
「知る前から好きです。知った今も、好き。・・・佐瀬さんじゃありません、私が好きになってたんです。だから・・・!」
「・・・・・・なに?」
「・・・っ・・・、佐瀬さんになにかしたら、ふーちゃんでも許しません・・・っっ・・・」
思わず言い切った自分に一番。自分が驚いていました。
けれど。
間違ってはいないと。ふーちゃんを見つめる眼差しを揺らがせたりしないで。
どうして知っていたのかを訊ねる意味すらありません。
なにかを計算する知恵もなければ、情に訴えても通用しないことは自分が一番よく知っています。
容赦なく追い詰めるふーちゃんの真意がどこにあるのか。
見えない切っ先を喉元に突き付けて、そのまま掻き切るつもりなのか。その刃を翻し、立ちはだかるものを薙ぎ払ってくれるつもりなのか。
味方じゃないとはっきり言われたら。
どうしたら。
どうしたら・・・っっ。
震えてしまいそうなのを、堪えるだけで必死な私の顎に手をかけ、くいと上向かせるふーちゃん。
綺麗な顔がとても無慈悲に見えて。それでも目を逸らすまいと懸命でした。
許されなくても。
私の想いは本物だから。
抱きしめて決して離さずに、一緒に奈落の底に落ちていくから・・・!
胸の奥の奥で、きゅうっと何かを強く噛みしめ。
勇気を振り絞る。
「言える時がきたら言おうと思ったの・・・。佐瀬さんの過去を知れば、お祖父さまだって許してくれないことくらい私だってわかってるもの・・・!」
「ヤクザだったって、知ってて好きになったなんて言わないよね?」
突き刺す冷たい眸。低い声。
こうなった以上どうなってもかまわない、と開き直りに似た覚悟も生まれ始めていたのかもしれません。伏せ目がちに、私はありのままの気持ちを曝け出す。
「知る前から好きです。知った今も、好き。・・・佐瀬さんじゃありません、私が好きになってたんです。だから・・・!」
「・・・・・・なに?」
「・・・っ・・・、佐瀬さんになにかしたら、ふーちゃんでも許しません・・・っっ・・・」
思わず言い切った自分に一番。自分が驚いていました。
けれど。
間違ってはいないと。ふーちゃんを見つめる眼差しを揺らがせたりしないで。