恋は、秘密主義につき。
「いえ・・・、そこまでは」
たぶん。なんとなく断言はできませんけど。
「レイちゃんに似合いそうな髪留め、見つけたんだ。やっぱり普段使いできる物のほうがいいだろ?」
「ありがとうございます。今度、会社につけてきますね。前にプレゼントしてもらったバレッタも」
「ん。・・・ちょっと早いけど、誕生日おめでとう」
甘やかな微笑みと一緒に、前髪の上から優しく額にキスが落とされた。
「大事なお姫さまを守れるくらいには、大人になったつもりだから。なにかあったら必ず助けるよ。もし泣かされてたらその時は俺が浚って、誰にもレイちゃんを傷付けさせたりしない。・・・よく憶えておいてください、佐瀬雅之さん」
「?!」
ふと、征士君の視線が私の頭上を越えたのと同時に。耳を疑ったまさかの名前。
慌てて振り向くと、真後ろに黒いシャツ姿の佐瀬さんが悠然と立っていました。
ワークパンツのポケットに片手を突っ込み、相変わらず気怠そうな空気をまとった貴方。
呆気に取られている私を見下ろして、『文句があるのか』とでも言いたげな。
えぇと確か。帰りの電車に乗ったらラインをしろって、言われてませんでしたっけ?
ずい分と早かったお迎えに、どこかくすぐったさを感じて勝手に口許が緩む。
こういう我慢はしない佐瀬さんがかなり、・・・とても好きです。
「もうちょっと一緒にいたかったけど残念だな。今日は付き合ってくれてありがとう、レイちゃん」
「私もちゃんと話せて・・・よかったです」
「ん。じゃあまた明日。時間が合ったら一緒にランチしよう」
「はい。気を付けて帰ってくださいね」
「男だから大丈夫、俺は」
軽く私の頭を撫で、爽やかに笑んだ顔が佐瀬さんにもう一度向いた時、会社で見せる厳しい表情とも違う冷ややかさを放つ彼がいました。
たぶん。なんとなく断言はできませんけど。
「レイちゃんに似合いそうな髪留め、見つけたんだ。やっぱり普段使いできる物のほうがいいだろ?」
「ありがとうございます。今度、会社につけてきますね。前にプレゼントしてもらったバレッタも」
「ん。・・・ちょっと早いけど、誕生日おめでとう」
甘やかな微笑みと一緒に、前髪の上から優しく額にキスが落とされた。
「大事なお姫さまを守れるくらいには、大人になったつもりだから。なにかあったら必ず助けるよ。もし泣かされてたらその時は俺が浚って、誰にもレイちゃんを傷付けさせたりしない。・・・よく憶えておいてください、佐瀬雅之さん」
「?!」
ふと、征士君の視線が私の頭上を越えたのと同時に。耳を疑ったまさかの名前。
慌てて振り向くと、真後ろに黒いシャツ姿の佐瀬さんが悠然と立っていました。
ワークパンツのポケットに片手を突っ込み、相変わらず気怠そうな空気をまとった貴方。
呆気に取られている私を見下ろして、『文句があるのか』とでも言いたげな。
えぇと確か。帰りの電車に乗ったらラインをしろって、言われてませんでしたっけ?
ずい分と早かったお迎えに、どこかくすぐったさを感じて勝手に口許が緩む。
こういう我慢はしない佐瀬さんがかなり、・・・とても好きです。
「もうちょっと一緒にいたかったけど残念だな。今日は付き合ってくれてありがとう、レイちゃん」
「私もちゃんと話せて・・・よかったです」
「ん。じゃあまた明日。時間が合ったら一緒にランチしよう」
「はい。気を付けて帰ってくださいね」
「男だから大丈夫、俺は」
軽く私の頭を撫で、爽やかに笑んだ顔が佐瀬さんにもう一度向いた時、会社で見せる厳しい表情とも違う冷ややかさを放つ彼がいました。