恋は、秘密主義につき。
「俺の誕生日、気にしてくれたの?」

「はい、・・・まあ」

ママが。ですけども。

「レイちゃんから欲しいものがあるって言ったら、くれるかな?」

切れ長の横目が一瞬こちらに流れる。

「私であげられるものでしたら」

何でも、は無理でしょうから。言葉どおりに受け止めて、言葉どおりに返した。

「じゃあ、良く考えておくよ」

征士君はふっと笑みを零し、流れがスムーズになった車線で車を静かに加速させた。


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