恋は、秘密主義につき。
４－１
「美玲、早く起きなさい！　起きて、征士君を迎える準備をしないと間に合いませんよっ」

朝からママが張り切っています。
お昼ご飯に招待したので、下ごしらえやら、リビングの模様替えやら、パパを操縦しながら張り切ってます。

「征士君は遊びに来るだけで、結婚の挨拶に来るわけじゃないですよ？」

ママのことだから勝手に盛り上がっているんじゃないかと、先に釘を刺してみれば。

「あら。征士君だって予行演習のつもりで来るかも知れないんだから、雰囲気は作ってあげないと」

よく分からない理論を披露されました。

「やっぱり、スーツの方がいいかなぁ？」

パパまで変に洗脳されてます。

「パパもママも、普通にしてて下さいってば～」

私の大きな溜め息が虚しくリビングに響き渡る、連休最終日。
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