キミのもの
「……ふーん。ほんとに?」


「ほんと、バイト疲れただけだか……っひゃっ!!」


比奈子が素っ頓狂な声を上げて身をよじった。


うん、だって俺が脇腹つついたからね。


「ちょっと!いきなりやめてよ!!」


って怒られたけど。


思いの外反応したから、面白くて両方の脇腹に手を伸ばす。


「は、え?!」


はい残念。


両手でコーラを持ってたら、抵抗できないよね。


「うはっ…ちょっ…くすぐったいっ!あひゃひゃひゃ」


笑いながら身悶える比奈子。


うーん、可愛い。


「うひゃひゃひゃ……ふあっ……あっ、や、やめっ」


あ、やば、なんか声エロい。 


これ、いい。


「ちょっ、ほんとやめて……って、あっっ!!」


「!!!っいってー。って、はあっ???」


比奈子の手からコーラがすっぽ抜けて、俺の頭に飛んできた。


おかげで俺はコーラまみれ。


「はあ?まじかよ……」


「あはははははは」


くすぐったこと、絶対キレられると思ったのに。


コーラにまみれた俺を見て、比奈子はおなかを抱えて爆笑した。


「そんな笑わなくてもよくね?」


「あはは、だって……あはははは」


まあ、元気出たならいっか。


キミが笑ってくれるなら、コーラなんて、いくらでも浴びるよ。


大好きな、キミのためなら。


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