そのままの君が好き〜その恋の行方〜
土曜日、念願の和樹さんとのデート・・・と行きたかったところだけど、この日は絵里ちゃんの保育園のイベントがあるそうで、明日までお預け。私は誘いがあった定例会に足を運んだ。
定例会で3人揃うのは、本当に久しぶりだから、凄く楽しみではあるのだが、私は緊張もしていた。
私と沖田くんとのことを、応援してくれてた2人の親友。その応援に応えられなかったことは、キチンと報告しなければならない。
果たして、私がそのことを口にすると2人は驚きを隠せなかった。
「他に好きな人が出来たって言うけど、どういう人なの?」
やや表情を曇らせて聞いて来る由夏。まさか、という思いが、浮かんで来ているようだった。
「うん・・・由夏、たぶん、あなたが想像してる人・・・。」
「ええ!」
少し躊躇いながら、答えた私に、由夏は悲鳴にも似た声を上げる。
「嘘でしょ、加奈。」
「嘘じゃない。本当なんだ。」
そう言った私の顔を、一瞬見つめた由夏は
「何、考えてるの?!」
と厳しい表情で、私に詰め寄るように言った。
「あれ程、言ったじゃない。生半可な気持ちで関わったら、大変なことになるって。」
「生半可な気持ちじゃない、本気だもん。」
そう言い返した私に、一瞬言葉を失った由夏は、またすぐに口を開く。
「沖田くんの何が不足で、そんな事故物件みたいな人と。」
「ちょっと、事故物件って何よ。和樹さんは裏切られた方の側よ。あんまり酷いこと言わないで。」
「ねぇ、2人とも落ち着いて。」
ヒートアップする私達を見かねて、悠が口を挟むんで、場をなだめる。
「言っとくけど・・・沖田くんにも別に好きな人がいた。」
「えっ?」
「だから、私達、縁がなかったんだよ。」
一瞬、沈黙が場を包む。それを破ったのは、由夏だった。
「ねぇ加奈、わかってる?これからどんな困難が待ち受けているのか。まさかとは思ってたけど、この間、会ったあと、気になって調べたんだよ。もしこのまま、奥さんが見つからなかったら、その人は離婚申請が出来るようになるまで、3年かかる。3年だよ。」
「そんなの、知ってる。でも、その失踪が不貞行為によるものなら、それ以前に申請することも可能よ。」
「それにしたって、裁判やらなにやら、そんな簡単な話じゃない。それに・・・子供はどうするの?育てる自信、あるの?」
「絵里ちゃんは、私に懐いてくれてる。」
「たまに遊んでくれる優しいお姉ちゃんと、母親は全然違う。悠を見れば、わかるでしょ?」
「愛する人の子供なら育てられる!」
その私の言葉を聞いた由夏は、呆れたような表情になる。
「悠、ごめん。久しぶりに会えたんだけど、私、これ以上、こんな自爆テロ志願者みたいな人の顔を見たくない。」
「由夏!」
そう言い残すと、由夏は店を出て行ってしまった。
定例会で3人揃うのは、本当に久しぶりだから、凄く楽しみではあるのだが、私は緊張もしていた。
私と沖田くんとのことを、応援してくれてた2人の親友。その応援に応えられなかったことは、キチンと報告しなければならない。
果たして、私がそのことを口にすると2人は驚きを隠せなかった。
「他に好きな人が出来たって言うけど、どういう人なの?」
やや表情を曇らせて聞いて来る由夏。まさか、という思いが、浮かんで来ているようだった。
「うん・・・由夏、たぶん、あなたが想像してる人・・・。」
「ええ!」
少し躊躇いながら、答えた私に、由夏は悲鳴にも似た声を上げる。
「嘘でしょ、加奈。」
「嘘じゃない。本当なんだ。」
そう言った私の顔を、一瞬見つめた由夏は
「何、考えてるの?!」
と厳しい表情で、私に詰め寄るように言った。
「あれ程、言ったじゃない。生半可な気持ちで関わったら、大変なことになるって。」
「生半可な気持ちじゃない、本気だもん。」
そう言い返した私に、一瞬言葉を失った由夏は、またすぐに口を開く。
「沖田くんの何が不足で、そんな事故物件みたいな人と。」
「ちょっと、事故物件って何よ。和樹さんは裏切られた方の側よ。あんまり酷いこと言わないで。」
「ねぇ、2人とも落ち着いて。」
ヒートアップする私達を見かねて、悠が口を挟むんで、場をなだめる。
「言っとくけど・・・沖田くんにも別に好きな人がいた。」
「えっ?」
「だから、私達、縁がなかったんだよ。」
一瞬、沈黙が場を包む。それを破ったのは、由夏だった。
「ねぇ加奈、わかってる?これからどんな困難が待ち受けているのか。まさかとは思ってたけど、この間、会ったあと、気になって調べたんだよ。もしこのまま、奥さんが見つからなかったら、その人は離婚申請が出来るようになるまで、3年かかる。3年だよ。」
「そんなの、知ってる。でも、その失踪が不貞行為によるものなら、それ以前に申請することも可能よ。」
「それにしたって、裁判やらなにやら、そんな簡単な話じゃない。それに・・・子供はどうするの?育てる自信、あるの?」
「絵里ちゃんは、私に懐いてくれてる。」
「たまに遊んでくれる優しいお姉ちゃんと、母親は全然違う。悠を見れば、わかるでしょ?」
「愛する人の子供なら育てられる!」
その私の言葉を聞いた由夏は、呆れたような表情になる。
「悠、ごめん。久しぶりに会えたんだけど、私、これ以上、こんな自爆テロ志願者みたいな人の顔を見たくない。」
「由夏!」
そう言い残すと、由夏は店を出て行ってしまった。