そのままの君が好き〜その恋の行方〜
唯を落ち着くまで、抱きしめていた俺は、フッと携帯のバイブ音に気が付いた。
「唯ちゃん、電話。」
「わかってる、お母さんからだよ。」
「えっ?」
俺は唯から身体を離した。
「出なくていいの?」
「用件わかってるもん。こんな時間まで、どこで何してるんだって?」
その唯の答えに、俺は蒼くなった。確かに高校生の娘が、この時間まで音信不通で帰宅しなければ、心配しない親などいるはずがない。
彼女の携帯を見てみれば、とにかく着信と留守電の嵐。留守電の唯のお母さんの声は、もはや発狂寸前。名古屋の大学に進んで、家にいないはずの白鳥先輩の怒声も入っている。
「お兄ちゃん、GWで帰って来るって言ってたから・・・ねぇソウくん、どうしよう?」
どうしようって・・・。とりあえず、謝るしかない。俺に言われて、渋々電話を掛けた唯に、途端に浴びせられる先輩の怒声が、携帯からだだ洩れで、唯だけじゃなく、俺までが首をすくめる。
また涙目になってる唯を見かねて、俺は彼女から携帯を取ると
「先輩、沖田です。ご心配おかけして申し訳ありません。こんな時間になってるなんて・・・全部俺が悪いんです。すぐに唯ちゃんをお宅まで送り届けます。本当にすみません!」
そう言って、俺は、携帯を持ったまま最敬礼していた。
「ソウくん・・・。」
「父親に車借りて来るから、待ってて。」
「ごめんなさい。」
しょげる唯に
「いいんだよ。唯ちゃんとの約束を破った僕が悪かったんだから。距離は短いけど、唯ちゃんとの初ドライブだ。」
「うん!」
俺がそう言うと、彼女は嬉しそうに大きく頷いてくれた。
15分程で、唯の家に着くと、お父さんが鬼の形相で玄関で待ち構えていて、2人並べて、さんざんに怒られた。高校生の娘をこんな時間まで連れまわして、非常識にも程がある。唯もそんな娘に育てた覚えはないって、まぁ凄まじい剣幕だった。
唯は俺は悪くないって庇おうとしてたけど、横にいた先輩が首を横に振って制する。
「本当にソウと一緒だったら、あんなことには絶対なってねぇよな。」
あとで先輩はそう言ってくれた。どうやらその時点で、だいたいの経緯は想像できていたらしかった。
こうして俺は今後出入り禁止、唯との接触禁止を申し渡されることを覚悟したが、先輩がとりなしてくれたのか、なんと交際OKの許可を戴いた。唯をかばい、一切の言い訳をしなかったことが、唯の両親の好感度を上げたようだった。
こうして、俺達は付き合い始めた。
「唯ちゃん、電話。」
「わかってる、お母さんからだよ。」
「えっ?」
俺は唯から身体を離した。
「出なくていいの?」
「用件わかってるもん。こんな時間まで、どこで何してるんだって?」
その唯の答えに、俺は蒼くなった。確かに高校生の娘が、この時間まで音信不通で帰宅しなければ、心配しない親などいるはずがない。
彼女の携帯を見てみれば、とにかく着信と留守電の嵐。留守電の唯のお母さんの声は、もはや発狂寸前。名古屋の大学に進んで、家にいないはずの白鳥先輩の怒声も入っている。
「お兄ちゃん、GWで帰って来るって言ってたから・・・ねぇソウくん、どうしよう?」
どうしようって・・・。とりあえず、謝るしかない。俺に言われて、渋々電話を掛けた唯に、途端に浴びせられる先輩の怒声が、携帯からだだ洩れで、唯だけじゃなく、俺までが首をすくめる。
また涙目になってる唯を見かねて、俺は彼女から携帯を取ると
「先輩、沖田です。ご心配おかけして申し訳ありません。こんな時間になってるなんて・・・全部俺が悪いんです。すぐに唯ちゃんをお宅まで送り届けます。本当にすみません!」
そう言って、俺は、携帯を持ったまま最敬礼していた。
「ソウくん・・・。」
「父親に車借りて来るから、待ってて。」
「ごめんなさい。」
しょげる唯に
「いいんだよ。唯ちゃんとの約束を破った僕が悪かったんだから。距離は短いけど、唯ちゃんとの初ドライブだ。」
「うん!」
俺がそう言うと、彼女は嬉しそうに大きく頷いてくれた。
15分程で、唯の家に着くと、お父さんが鬼の形相で玄関で待ち構えていて、2人並べて、さんざんに怒られた。高校生の娘をこんな時間まで連れまわして、非常識にも程がある。唯もそんな娘に育てた覚えはないって、まぁ凄まじい剣幕だった。
唯は俺は悪くないって庇おうとしてたけど、横にいた先輩が首を横に振って制する。
「本当にソウと一緒だったら、あんなことには絶対なってねぇよな。」
あとで先輩はそう言ってくれた。どうやらその時点で、だいたいの経緯は想像できていたらしかった。
こうして俺は今後出入り禁止、唯との接触禁止を申し渡されることを覚悟したが、先輩がとりなしてくれたのか、なんと交際OKの許可を戴いた。唯をかばい、一切の言い訳をしなかったことが、唯の両親の好感度を上げたようだった。
こうして、俺達は付き合い始めた。