そのままの君が好き〜その恋の行方〜
「ツカ経由で聞いたんだが、桜井、彼氏と別れたらしいぞ。」
「えっ?」
「どうだ、3度目の正直という言葉もある。」
驚く俺に真面目な顔で、そう言う白鳥さん。唯のこともあってか、俺の恋愛面に関しては、気を遣ってくれる先輩。
俺と桜井さんはお似合いというのが、仲間内の評価らしいけど、まぁ前回あんな形で幕を降ろしたのは、仕方がないと思う反面、後味悪かったのも確かだから、俺は曖昧にその話題はやり過ごしてしまった。
その後は、先輩も深追いして来ることはなく、2時間程で飲み会はお開きになった。
それから2、3日後のことだった。この日も、慌ただしく取引先巡りを終え、帰宅の途につくと、待ってましたと言わんばかりのタイミングで携帯が鳴り出した。誰からかと思えば岩武さん。
「もしもし、お疲れ。」
『沖田くん、今大丈夫?』
「うん、ちょうど今、会社出たところ。どうしたの?」
『実は、お願いがあってさ。』
岩武さんの会社で、得意先に粗品を配らなくてはならなくなり、社内で検討した結果、ラップや洗剤はどうだという話になり、そこで俺の顔を思い出してくれたらしい。かなりの数が必要だから、なんとかお安く提供してくれないかという岩武さんに
「ウチはメ-カ-だから、基本、直接商品の販売はしてないんだ。と、まぁこれは建前の話だけど、他ならぬ岩武さんの頼みじゃ、無下には出来ないから、ちょっと待ってくれない?なんとか原価プラスαくらいでやれないか、上と交渉してみるから。」
『本当?助かる。なんていっても、こっちは、よちよち歩きの新興企業だから、使える経費も限られてるから・・・やっぱり持つべきものは友達だね。』
「いえいえ。」
そんな調子で、久しぶりということもあり、少し話し込んだ俺達だったが、やがて岩武さんがやや言いにくそうに切り出した。
『あのさ、こんなこと言って、気分悪くしたら、ごめんね。沖田くん・・・今更だけど、加奈のこと・・・もう1度考えてもらえないかな?』
「えっ?」
あまりにも唐突な話題転換に、俺は驚く。
『誤解しないで欲しいんだけど、別に加奈に頼まれて、こんなこと言ってるわけじゃなくて、私が勝手にお願いしてることだから・・・。2人がダメになった経緯を知らないわけじゃないし、沖田くんが冗談じゃないって思うのは当然だと思う。でも・・・加奈が付き合ってた人と別れたのは知ってる?』
「うん。この前、白鳥さんと飲んで、その時に聞いた。」
『そっか・・・。あの子、妻子ある人と付き合ってしまって・・・。』
「えっ?」
まさか、桜井さんが不倫・・・?俺は信じられない思いで聞き返す。
『相手の人、奥さんに逃げられて、それで加奈を口説いた・・・。止めなって忠告したんだけど、もともと加奈も、その人に好意持ってたみたいで・・・。そしたら奥さんが戻ってきちゃって、すったもんだの挙句、相手のお子さんのことを考えて、加奈から身を引いた。ホント、バカだよね。自業自得としか言いようがないんだけど、恋愛の才能がないとか自嘲してるの見ると、やっぱり可哀相で・・・。』
「・・・。」
「えっ?」
「どうだ、3度目の正直という言葉もある。」
驚く俺に真面目な顔で、そう言う白鳥さん。唯のこともあってか、俺の恋愛面に関しては、気を遣ってくれる先輩。
俺と桜井さんはお似合いというのが、仲間内の評価らしいけど、まぁ前回あんな形で幕を降ろしたのは、仕方がないと思う反面、後味悪かったのも確かだから、俺は曖昧にその話題はやり過ごしてしまった。
その後は、先輩も深追いして来ることはなく、2時間程で飲み会はお開きになった。
それから2、3日後のことだった。この日も、慌ただしく取引先巡りを終え、帰宅の途につくと、待ってましたと言わんばかりのタイミングで携帯が鳴り出した。誰からかと思えば岩武さん。
「もしもし、お疲れ。」
『沖田くん、今大丈夫?』
「うん、ちょうど今、会社出たところ。どうしたの?」
『実は、お願いがあってさ。』
岩武さんの会社で、得意先に粗品を配らなくてはならなくなり、社内で検討した結果、ラップや洗剤はどうだという話になり、そこで俺の顔を思い出してくれたらしい。かなりの数が必要だから、なんとかお安く提供してくれないかという岩武さんに
「ウチはメ-カ-だから、基本、直接商品の販売はしてないんだ。と、まぁこれは建前の話だけど、他ならぬ岩武さんの頼みじゃ、無下には出来ないから、ちょっと待ってくれない?なんとか原価プラスαくらいでやれないか、上と交渉してみるから。」
『本当?助かる。なんていっても、こっちは、よちよち歩きの新興企業だから、使える経費も限られてるから・・・やっぱり持つべきものは友達だね。』
「いえいえ。」
そんな調子で、久しぶりということもあり、少し話し込んだ俺達だったが、やがて岩武さんがやや言いにくそうに切り出した。
『あのさ、こんなこと言って、気分悪くしたら、ごめんね。沖田くん・・・今更だけど、加奈のこと・・・もう1度考えてもらえないかな?』
「えっ?」
あまりにも唐突な話題転換に、俺は驚く。
『誤解しないで欲しいんだけど、別に加奈に頼まれて、こんなこと言ってるわけじゃなくて、私が勝手にお願いしてることだから・・・。2人がダメになった経緯を知らないわけじゃないし、沖田くんが冗談じゃないって思うのは当然だと思う。でも・・・加奈が付き合ってた人と別れたのは知ってる?』
「うん。この前、白鳥さんと飲んで、その時に聞いた。」
『そっか・・・。あの子、妻子ある人と付き合ってしまって・・・。』
「えっ?」
まさか、桜井さんが不倫・・・?俺は信じられない思いで聞き返す。
『相手の人、奥さんに逃げられて、それで加奈を口説いた・・・。止めなって忠告したんだけど、もともと加奈も、その人に好意持ってたみたいで・・・。そしたら奥さんが戻ってきちゃって、すったもんだの挙句、相手のお子さんのことを考えて、加奈から身を引いた。ホント、バカだよね。自業自得としか言いようがないんだけど、恋愛の才能がないとか自嘲してるの見ると、やっぱり可哀相で・・・。』
「・・・。」