そのままの君が好き〜その恋の行方〜
こうして、2人で出掛けた映画は、甘いラブストーリー・・・ではなかったけど、初めて男の人と2人で見る映画のストーリーは、全く頭の中に入って来なかった。
映画が終わり、喫茶店で見た映画の話や、サークルの話題などの話で盛り上がったけど、そろそろお開きという時間になり、私達は駅に向かう。
「先輩、今日はありがとうございました。」
「俺の方こそ、急に誘って悪かったな。」
「とんでもありません。とっても楽しかったです。」
私は笑顔で、先輩にお礼を言う。
「桜井、こっち方面だよな。俺、反対だから、送ってけないけど、ごめんな。」
「そんな、大丈夫です。じゃ失礼します。」
「桜井。」
頭を下げて、歩き出そうとする私を先輩は呼び止める。
「はい。」
「また、誘ってもいいか?」
「えっ?」
そんなことを言って私を見つめる先輩の視線に、私の頬は赤く染まる。
「は、はい。」
「ありがとう。じゃ、また。」
私の返事に嬉しそうに微笑むと、先輩は改札に向かって歩き出した。恋愛初心者の私が、あっと言う間に、先輩に心を奪われてしまったのは、無理なかった、よね?
それから、先輩と出掛けることが増えた。相変わらず有紗も一緒の時があるのが、気になったけど、私は先輩と付き合ってるようなつもりになっていた。
だけど、少しして気がつくと、先輩からの誘いはいつの間にか、なくなっていた。そして良く見てみれば、仲睦まじげに2人で帰って行く先輩と有紗の姿が・・・。
結局、私は先輩が有紗を誘う為のダシに使われていたのであり、たまに2人で出掛けたのも、有紗の都合がつかないか、デートの下見に、先輩が私を利用していただけだったことに、ようやく気付いた。
(なに、それ・・・。)
全てがわかった時、私はヘナヘナと崩れ落ちそうになるのを、必死に堪えた。確かに先輩は思わせぶりな態度は示しても、好きだとも、付き合おうとも決して言ってはくれなかった。責めようにも
「そんなの、お前が勝手に勘違いしただけじゃん。」
って言われてしまえば、それまでだった。こうして、私の初の恋愛は未遂のまま、悲しく幕を閉じた。
映画が終わり、喫茶店で見た映画の話や、サークルの話題などの話で盛り上がったけど、そろそろお開きという時間になり、私達は駅に向かう。
「先輩、今日はありがとうございました。」
「俺の方こそ、急に誘って悪かったな。」
「とんでもありません。とっても楽しかったです。」
私は笑顔で、先輩にお礼を言う。
「桜井、こっち方面だよな。俺、反対だから、送ってけないけど、ごめんな。」
「そんな、大丈夫です。じゃ失礼します。」
「桜井。」
頭を下げて、歩き出そうとする私を先輩は呼び止める。
「はい。」
「また、誘ってもいいか?」
「えっ?」
そんなことを言って私を見つめる先輩の視線に、私の頬は赤く染まる。
「は、はい。」
「ありがとう。じゃ、また。」
私の返事に嬉しそうに微笑むと、先輩は改札に向かって歩き出した。恋愛初心者の私が、あっと言う間に、先輩に心を奪われてしまったのは、無理なかった、よね?
それから、先輩と出掛けることが増えた。相変わらず有紗も一緒の時があるのが、気になったけど、私は先輩と付き合ってるようなつもりになっていた。
だけど、少しして気がつくと、先輩からの誘いはいつの間にか、なくなっていた。そして良く見てみれば、仲睦まじげに2人で帰って行く先輩と有紗の姿が・・・。
結局、私は先輩が有紗を誘う為のダシに使われていたのであり、たまに2人で出掛けたのも、有紗の都合がつかないか、デートの下見に、先輩が私を利用していただけだったことに、ようやく気付いた。
(なに、それ・・・。)
全てがわかった時、私はヘナヘナと崩れ落ちそうになるのを、必死に堪えた。確かに先輩は思わせぶりな態度は示しても、好きだとも、付き合おうとも決して言ってはくれなかった。責めようにも
「そんなの、お前が勝手に勘違いしただけじゃん。」
って言われてしまえば、それまでだった。こうして、私の初の恋愛は未遂のまま、悲しく幕を閉じた。