そのままの君が好き〜その恋の行方〜
民間企業は受けず、公務員試験一本に賭けた私。親や周囲からは、心配されたけど、私は中途半端なことはしたくなかった。
失敗したら、誰かのお嫁さんにしてもらうから、なんて言って、その笑えない冗談で周囲を凍りつかせていた私は、ダメなら浪人という覚悟を決めていた。
それだけに見事、難関を突破し、夢を叶えたときの喜びは半端ではなかった。その達成感に浸っていた10月半ば、1通のハガキが自宅に届いた。
それは、高校のクラス会の案内だった。卒業してはや4年。その間に、私達が20歳になった年に、1度あったのだが、私は出席しなかった。
そして、いよいよ社会に出るという区切りの年に、2度目の開催。タイミングとしては、よくわかる。
カレンダーを眺めていると、携帯が鳴る。由夏からだ。
『ハガキ見た?』
「うん。」
『当然出席だよね?』
「えっ?」
『まさか、このチャンス、逃すつもりないよね?』
由夏の言ってる意味が分からず、戸惑っていると
『沖田くん、出席するってよ。今、聡志から連絡が来た。』
その由夏の言葉にハッとする私。
『加奈の気持ちは、変わってないんだよね?』
由夏に聞かれて、一瞬躊躇ったけど
「うん。」
と答えた。
沖田くんが、唯さんに振られてしまったことは聞いている。彼の傷心は、いかばかりかと思うけど、叶わぬものと諦めていた私の恋心を成就させる可能性が出て来たのは確かなこと。
これは神が与え給うた、またとない機会であることは間違いない。
『とにかく、自分の気持ちを沖田くんに、精一杯ぶつけてみな。私達も出来る限りの応援はするから。』
「うん。由夏、ありがとう。」
私は携帯を手に、大きく頷いた。
失敗したら、誰かのお嫁さんにしてもらうから、なんて言って、その笑えない冗談で周囲を凍りつかせていた私は、ダメなら浪人という覚悟を決めていた。
それだけに見事、難関を突破し、夢を叶えたときの喜びは半端ではなかった。その達成感に浸っていた10月半ば、1通のハガキが自宅に届いた。
それは、高校のクラス会の案内だった。卒業してはや4年。その間に、私達が20歳になった年に、1度あったのだが、私は出席しなかった。
そして、いよいよ社会に出るという区切りの年に、2度目の開催。タイミングとしては、よくわかる。
カレンダーを眺めていると、携帯が鳴る。由夏からだ。
『ハガキ見た?』
「うん。」
『当然出席だよね?』
「えっ?」
『まさか、このチャンス、逃すつもりないよね?』
由夏の言ってる意味が分からず、戸惑っていると
『沖田くん、出席するってよ。今、聡志から連絡が来た。』
その由夏の言葉にハッとする私。
『加奈の気持ちは、変わってないんだよね?』
由夏に聞かれて、一瞬躊躇ったけど
「うん。」
と答えた。
沖田くんが、唯さんに振られてしまったことは聞いている。彼の傷心は、いかばかりかと思うけど、叶わぬものと諦めていた私の恋心を成就させる可能性が出て来たのは確かなこと。
これは神が与え給うた、またとない機会であることは間違いない。
『とにかく、自分の気持ちを沖田くんに、精一杯ぶつけてみな。私達も出来る限りの応援はするから。』
「うん。由夏、ありがとう。」
私は携帯を手に、大きく頷いた。