そのままの君が好き〜その恋の行方〜
その夜、帰宅した私は、随分迷った挙句、沖田くんにメールを送った。


『ご無沙汰してます、桜井です。今日、あのファミレスで、また三嶋さんに会いました。いろいろ、沖田くんのことを話したので、ついメールしちゃいました。沖田くんは、今度の悠と先輩の結婚式、出席するよね?みんなでいろいろ、話出来るの、楽しみにしてます。では。』


沖田くんとは、高校時代にケー番とメアドを交換したんだけど、結局今日まで、1度も連絡は取らずじまい。


ひょっとしたら、変わっちゃってるかもしれないし、振られた私の方からのメールなんて引かれちゃうかも、とは思ったけど、とりあえず送ってしまった。


すると少しして、メールの着信音が。


『こちらこそ、ご無沙汰です。まさか桜井さんから、メールもらえるなんて、ビックリしたけど、光栄です。そのことは、三嶋から聞きました。アイツ、変なこと言ってなかった?結婚式はもちろん出席します。桜井さん、岩武さんを始めとした3ーAのクラスメイト、それに野球部の連中に久しぶりに会えるのが、本当に楽しみです。そう言えば、桜井さん、式の受付頼まれた?』


返信が来て、嬉しくなった私はすかさず、また返す。


『うん。悠から、私と由夏で是非って言われて、喜んで。』


『実は、僕も塚原と一緒に先輩から頼まれたんだ。ホントは松本さん達に頼むつもりだったみたいなんだけど、悠側が岩武と桜井なら、お前達の方がいいだろうって。』


『そうなんだ。じゃ、お互い大役だね。よろしくお願いします。』


『こちらこそ。』


そのあとも、少しメールのやり取りをしたあと、私達は、おやすみ、また今度ね、という感じで、メールを終えた。


なんか楽しかった。思い切ってメールしてみてよかった、これも三嶋さんのお蔭かもしれない。


ダメ元で、もう1回、アタックしてみようかな?そんな浮かれたことを考え始めていた私は、沖田くんがこの結婚式に出席することに、複雑な思いを抱えてることになんか、全く気づいていなかった。
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