そのままの君が好き〜その恋の行方〜
その週末、私は大学以来続く定例会。ミセスになった悠の参加率はガタ落ちし(たまに悠の家にお呼ばれするパターンはあるけど)、2週間に1度のサイクルもかなり怪しくなってるけど、それでも消滅はあり得ない。
今日も悠は欠席、私と由夏は土曜日でも、お得なランチが楽しめるカフェで待ち合わせた。
この日の話題は当然、近藤さんのこと。私が経緯を話すと、由夏は思わず唸ってしまった。
「凄いね、まるでドラマだね。」
「そうだね。」
「4歳の娘、捨てて出てっちゃったんでしょ?可愛い盛りじゃん。私達が悠の子供見てたって、可愛くてしょうがないのに、自分で産んだ子だよ。ちょっと信じられないね。」
「そうでしょ?だいたい寂しかったって、言ったって、旦那さん一所懸命仕事してたんだよ。そんな旦那さん裏切って、子供まで捨ててって、ホントあり得ないよ。」
憤る私を、由夏は少し眺めていたけど、やがて言った。
「ねぇ、加奈。念の為、言っとくけど、絶対に深入りしちゃダメだからね。」
「えっ?」
「その近藤さんって人に、加奈はお世話になったみたいだし、加奈がその人にどんな感情を抱いてるか、なんとなくわかるけど、生半可な好意や同情で、首突っこんだら、大ヤケドするからね。」
「由夏・・・。」
思わぬことを言われて、驚いてる私を、由夏はまっすぐ見つめる。
「忘れちゃダメだよ、近藤さんは妻帯者だからね。」
「妻帯者・・・。」
「だって、そうでしょ?奥さん、確かに指輪置いて、出てちゃったけど、離婚届はどうなってるの?」
それは、私も聞いてない・・・。
「話を聞く限り、届は置いていかなかったみたいじゃん。あとで署名入りのそれが郵送でもされてくれば、まだいいけど、そうじゃなきゃ、その奥さんが見つからない限り、離婚したくても出来ないよ。話し合いすら出来ない。それって、1番ヤバいパターンじゃない?」
「・・・。」
「それにその娘だよ。私達はたまに会って、舞ちゃん可愛いね〜とか言ってればいいけど、実際に育ててる悠は大変だと思うよ。あの子は私達には絶対、そんな素振りは見せないけど。」
「うん。」
それは確かに頷ける。
「まして、舞ちゃんはまだ赤ちゃんだけど、近藤さんの娘さんは4歳でもう幼稚園行ってるんでしょ?ちゃんと自我もあるから、受け入れてもらうの大変だよ。近藤さんの彼女や奥さんにはなれるかもしれないけど、その子のママになる自信ある?」
「・・・。」
「とにかく、高校以来、想ってきた沖田くんと、少しずつだけど、いい雰囲気になって来てるんだから、軽挙妄動はくれぐれも禁物だからね、加奈。」
懸命に忠告してくれる由夏。その私に対する思いが嬉しくて、私は笑顔になる。
「わかったよ、由夏。ありがとうね。大丈夫、由夏の言う通りだよ。近藤さんの力になりたいとは思うけど、現実には、他人の私に出来ることなんか、何もないんだから。」
「うん。」
私の言葉を聞いて、由夏もやっとホッしたように笑顔になる。
由夏の友情に感謝しながら、私はこの後、話題を変え、大いにしゃべり、大いに笑い、大いに食べて、由夏と楽しい1日を過ごした。
今日も悠は欠席、私と由夏は土曜日でも、お得なランチが楽しめるカフェで待ち合わせた。
この日の話題は当然、近藤さんのこと。私が経緯を話すと、由夏は思わず唸ってしまった。
「凄いね、まるでドラマだね。」
「そうだね。」
「4歳の娘、捨てて出てっちゃったんでしょ?可愛い盛りじゃん。私達が悠の子供見てたって、可愛くてしょうがないのに、自分で産んだ子だよ。ちょっと信じられないね。」
「そうでしょ?だいたい寂しかったって、言ったって、旦那さん一所懸命仕事してたんだよ。そんな旦那さん裏切って、子供まで捨ててって、ホントあり得ないよ。」
憤る私を、由夏は少し眺めていたけど、やがて言った。
「ねぇ、加奈。念の為、言っとくけど、絶対に深入りしちゃダメだからね。」
「えっ?」
「その近藤さんって人に、加奈はお世話になったみたいだし、加奈がその人にどんな感情を抱いてるか、なんとなくわかるけど、生半可な好意や同情で、首突っこんだら、大ヤケドするからね。」
「由夏・・・。」
思わぬことを言われて、驚いてる私を、由夏はまっすぐ見つめる。
「忘れちゃダメだよ、近藤さんは妻帯者だからね。」
「妻帯者・・・。」
「だって、そうでしょ?奥さん、確かに指輪置いて、出てちゃったけど、離婚届はどうなってるの?」
それは、私も聞いてない・・・。
「話を聞く限り、届は置いていかなかったみたいじゃん。あとで署名入りのそれが郵送でもされてくれば、まだいいけど、そうじゃなきゃ、その奥さんが見つからない限り、離婚したくても出来ないよ。話し合いすら出来ない。それって、1番ヤバいパターンじゃない?」
「・・・。」
「それにその娘だよ。私達はたまに会って、舞ちゃん可愛いね〜とか言ってればいいけど、実際に育ててる悠は大変だと思うよ。あの子は私達には絶対、そんな素振りは見せないけど。」
「うん。」
それは確かに頷ける。
「まして、舞ちゃんはまだ赤ちゃんだけど、近藤さんの娘さんは4歳でもう幼稚園行ってるんでしょ?ちゃんと自我もあるから、受け入れてもらうの大変だよ。近藤さんの彼女や奥さんにはなれるかもしれないけど、その子のママになる自信ある?」
「・・・。」
「とにかく、高校以来、想ってきた沖田くんと、少しずつだけど、いい雰囲気になって来てるんだから、軽挙妄動はくれぐれも禁物だからね、加奈。」
懸命に忠告してくれる由夏。その私に対する思いが嬉しくて、私は笑顔になる。
「わかったよ、由夏。ありがとうね。大丈夫、由夏の言う通りだよ。近藤さんの力になりたいとは思うけど、現実には、他人の私に出来ることなんか、何もないんだから。」
「うん。」
私の言葉を聞いて、由夏もやっとホッしたように笑顔になる。
由夏の友情に感謝しながら、私はこの後、話題を変え、大いにしゃべり、大いに笑い、大いに食べて、由夏と楽しい1日を過ごした。