そのままの君が好き〜その恋の行方〜
土曜日、予定がなくなってしまった私は、午前中は家でノンビリして、午後からは、気晴らしに映画でも見ようと、予定通り横浜へ。
残念ながら、おひとりさまなので、ラブストーリーとかではなく、肩の凝らないコメディを見て、ひとしきり笑って、ストレスを発散して、いい気分で映画館を出た。
さて、少しウィンドーショッピングでもと、歩き出そうとした時
「桜井さん。」
と声を掛けられた。驚いて振り向くと
「近藤さん。」
近藤さんが、娘さんと手を繋いで、立っている。
「奇遇だなぁ、こんな所で。映画見てたの?」
「ええ。友達と約束してたんですけど、仕事でドタキャンになっちゃって・・・。近藤さんも?」
「うん。娘にアニメ映画連れてくって、前から約束してたから。絵里、パパのお仕事の仲間の桜井さんだ。ちゃんとご挨拶しなさい。」
「うん。こんにちは、近藤絵里、4歳です。」
愛くるしい笑顔で、そう挨拶してくれる絵里ちゃん。
「始めまして。桜井加奈です。いつも、絵里ちゃんのパパにはお世話になってます。」
私にペコリと頭を下げてくれた絵里ちゃんに、私も思わず笑顔になって、頭を下げる。
「絵里、これから、パパとハンバーガー食べに行くんだ。映画面白かったけど、お腹ペコペコだから。本当はママも一緒だとよかったんだけど。」
だけど、その絵里ちゃんの言葉に私と近藤さんの表情は、サッと曇る。
「絵里のママ、急にいなくなっちゃったんだ。パパはもうすぐ帰って来るって、言うんだけど、絵里心配なんだ。お姉ちゃん、ママがどこにいるか知らない?」
「うん、ゴメンね。お姉ちゃん、絵里ちゃんのママとは会ったことないから。」
私は、そう言うしかない。そんな会話を交わした後、私に無邪気に手を振る絵里ちゃんと、その横で複雑そうな表情を浮かべてた近藤さんと別れた私は、映画館から出て来た時とは、打って変わった重い気持ちになってしまっていた。
いろいろあったのかもしれない。けど、あんな可愛い盛りの、自分のことが大好きでいてくれる我が子を、置き去りにして行った近藤さんの奥さんの気持ちが、私にはどうしてもわからなかった。
残念ながら、おひとりさまなので、ラブストーリーとかではなく、肩の凝らないコメディを見て、ひとしきり笑って、ストレスを発散して、いい気分で映画館を出た。
さて、少しウィンドーショッピングでもと、歩き出そうとした時
「桜井さん。」
と声を掛けられた。驚いて振り向くと
「近藤さん。」
近藤さんが、娘さんと手を繋いで、立っている。
「奇遇だなぁ、こんな所で。映画見てたの?」
「ええ。友達と約束してたんですけど、仕事でドタキャンになっちゃって・・・。近藤さんも?」
「うん。娘にアニメ映画連れてくって、前から約束してたから。絵里、パパのお仕事の仲間の桜井さんだ。ちゃんとご挨拶しなさい。」
「うん。こんにちは、近藤絵里、4歳です。」
愛くるしい笑顔で、そう挨拶してくれる絵里ちゃん。
「始めまして。桜井加奈です。いつも、絵里ちゃんのパパにはお世話になってます。」
私にペコリと頭を下げてくれた絵里ちゃんに、私も思わず笑顔になって、頭を下げる。
「絵里、これから、パパとハンバーガー食べに行くんだ。映画面白かったけど、お腹ペコペコだから。本当はママも一緒だとよかったんだけど。」
だけど、その絵里ちゃんの言葉に私と近藤さんの表情は、サッと曇る。
「絵里のママ、急にいなくなっちゃったんだ。パパはもうすぐ帰って来るって、言うんだけど、絵里心配なんだ。お姉ちゃん、ママがどこにいるか知らない?」
「うん、ゴメンね。お姉ちゃん、絵里ちゃんのママとは会ったことないから。」
私は、そう言うしかない。そんな会話を交わした後、私に無邪気に手を振る絵里ちゃんと、その横で複雑そうな表情を浮かべてた近藤さんと別れた私は、映画館から出て来た時とは、打って変わった重い気持ちになってしまっていた。
いろいろあったのかもしれない。けど、あんな可愛い盛りの、自分のことが大好きでいてくれる我が子を、置き去りにして行った近藤さんの奥さんの気持ちが、私にはどうしてもわからなかった。