一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
でも、それも良いかもしれない。きっとこの先、私の人生には、晴正さん以上に大切に思える方はいないだろうから。
恋は二次元で済まして、現実では何か仕事に打ち込んで。
──だから、今は。
今はこの現実の恋を、楽しむことにしよう。決して、叶わないけれど。
*
晴正さんの運転でやってきたのは、水族館。
目の前には海。真っ青な空と深い碧の海が美しい。景色もとても綺麗だ。
チケットは既に購入してくださっていたようで、大変スマートにエスコートしてもらっている。
なんだかデートに慣れている晴正さんに、モヤモヤしてしまう。
「みてみて! 美月! イワシの群れ!」
晴正さんのはしゃいだ声。大きな水槽にイワシがキラキラと輝いている。
「マンタもいる! ウミガメ! ウミガメ!」
「ふふっ。晴正さん、水族館がお好きなんですね」
つい、はしゃぐ姿が可愛らしくて笑うと、晴正さんが繋いだ手をギュッと握りしめてきた。
「美月とデートするのなら、何処だって嬉しいし、楽しいよ」
そう言って微笑む彼は、先程のはしゃいだ姿とはガラリと違って見えた。男性の、甘やかな微笑みにこれほど破壊力があるとは。ドキドキして、今日は心臓が壊れそうだ。
「美月、みて?」
「わぁ……」
大水槽から少し歩くと、そこは水槽のトンネルのようになっていた。まるで魚たちがキラキラした空を飛んでいるかのよう。
「星みたい」
そして、夢みたい。こうして好きな人と水族館デートができる日が来るなんて。
恋は二次元で済まして、現実では何か仕事に打ち込んで。
──だから、今は。
今はこの現実の恋を、楽しむことにしよう。決して、叶わないけれど。
*
晴正さんの運転でやってきたのは、水族館。
目の前には海。真っ青な空と深い碧の海が美しい。景色もとても綺麗だ。
チケットは既に購入してくださっていたようで、大変スマートにエスコートしてもらっている。
なんだかデートに慣れている晴正さんに、モヤモヤしてしまう。
「みてみて! 美月! イワシの群れ!」
晴正さんのはしゃいだ声。大きな水槽にイワシがキラキラと輝いている。
「マンタもいる! ウミガメ! ウミガメ!」
「ふふっ。晴正さん、水族館がお好きなんですね」
つい、はしゃぐ姿が可愛らしくて笑うと、晴正さんが繋いだ手をギュッと握りしめてきた。
「美月とデートするのなら、何処だって嬉しいし、楽しいよ」
そう言って微笑む彼は、先程のはしゃいだ姿とはガラリと違って見えた。男性の、甘やかな微笑みにこれほど破壊力があるとは。ドキドキして、今日は心臓が壊れそうだ。
「美月、みて?」
「わぁ……」
大水槽から少し歩くと、そこは水槽のトンネルのようになっていた。まるで魚たちがキラキラした空を飛んでいるかのよう。
「星みたい」
そして、夢みたい。こうして好きな人と水族館デートができる日が来るなんて。