一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
★若い男 晴正side
思えば、俺にとって水族館デートのあれは、告白したようなものだった。
「美月とだけ、デートしたい」
その言葉の返事は貰えていないが、少しずつ二人の空気も変わってきた気がしている。
だが、はっきりとした関係になる前にキスをしてしまって以来、家の中では過度に近づかないようにしている。うっかり抱き締めて、またキスをして、それから……と自分が抑えられなくなりそうで。
パーティでは婚約者だと胸を張って色んな方々に紹介した。例の御令嬢の件もこれで一件落着だろう。
外堀も固めたし、あとは完璧なプロポーズを!
俺の想いを、きちんと言葉にして伝えなければ!
*
裁判所からの帰り道、俺は奈良崎と食事にきていた。
裁判所近くのうどん屋で、さぬきうどんを出す店だ。とりからが乗ったぶっかけうどんが絶品で、裁判が上手くいった日は必ず立ち寄ることにしている。
「奈良崎は愛海さんにどんなプロポーズをしたんだ?」
「は? もうお前たち両想いになれたの?」
俺の質問に質問で返してくる奈良崎。
さすがにセンシティブな情報だったか。
「いや、やっぱ教えてくれなくていい」
「なーんだよそれー!……まぁ教える気ないけど」
「ないのかよ」
「まぁ良かったよ。お前がやっと幸せになったようで。長年の恋がやっと身を結ぶんだなー」
「美月とだけ、デートしたい」
その言葉の返事は貰えていないが、少しずつ二人の空気も変わってきた気がしている。
だが、はっきりとした関係になる前にキスをしてしまって以来、家の中では過度に近づかないようにしている。うっかり抱き締めて、またキスをして、それから……と自分が抑えられなくなりそうで。
パーティでは婚約者だと胸を張って色んな方々に紹介した。例の御令嬢の件もこれで一件落着だろう。
外堀も固めたし、あとは完璧なプロポーズを!
俺の想いを、きちんと言葉にして伝えなければ!
*
裁判所からの帰り道、俺は奈良崎と食事にきていた。
裁判所近くのうどん屋で、さぬきうどんを出す店だ。とりからが乗ったぶっかけうどんが絶品で、裁判が上手くいった日は必ず立ち寄ることにしている。
「奈良崎は愛海さんにどんなプロポーズをしたんだ?」
「は? もうお前たち両想いになれたの?」
俺の質問に質問で返してくる奈良崎。
さすがにセンシティブな情報だったか。
「いや、やっぱ教えてくれなくていい」
「なーんだよそれー!……まぁ教える気ないけど」
「ないのかよ」
「まぁ良かったよ。お前がやっと幸せになったようで。長年の恋がやっと身を結ぶんだなー」