一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
ギュッ
晴正さんの胸に飛び込む。彼も咄嗟に抱き止めてくれた。数日ぶりの彼の匂いや温もりに、全身が歓喜する。
「怖かった!」
「オタクだって知られて引かれるのも、晴正さんが他の女性のところへ行くのも、振られるのも、全部ぜんぶ、怖かった──んんっ!」
二回目のキスは、性急で荒々しいキスだった。次第に濃厚になっていき、初心者の私は息が止まりそうだ。
「ふぁっ」
「可愛い」
ちゅっちゅと沢山キスが降ってくる。涙も全部拭われ、離れていた時間を埋めるように力強くギューッと抱き締められた。
そしてまた、数えきれないほどキスをする。いっぱいいっぱいになりながら、晴正さんの顔を覗くと、嬉しそうに柔らかい笑顔で私を見つめていた。
きゅんとしすぎて、胸が苦しい。
どのくらいそうしていたのか、唇がジンと熱を持っている。「このままだと歯止めが効かなくなる」と余裕のない表情で晴正さんが言った。
そっと身体が離れていく。名残惜しくて、思わず彼の袖を握ると、「止められなくなるから、そんな顔しないで」と困ったように、またキスをされた。
そうして、今度こそ離れると、ポケットから小さな箱を取り出した晴正さんは、片膝をついた。その箱の蓋を開けながら、こう言ったのだ。
「高峰美月さん、俺と、結婚してください。君とこれから先ずっと一緒にいたい。一生君を大切にする」
「!!」
二次元でしか見たことがなかった、理想のプロポーズ。
リアルなイケメンが、私の大好きな人が、私に求婚してくれて、驚きと歓喜で涙が滲む。
私の答えはもちろん──
「はい!」
応えた瞬間、また抱き締められた。
ああ、せっかく拭ってもらった涙が、また溢れていく。だけど、今度は二人分。そして嬉し涙だ。
晴正さんの胸に飛び込む。彼も咄嗟に抱き止めてくれた。数日ぶりの彼の匂いや温もりに、全身が歓喜する。
「怖かった!」
「オタクだって知られて引かれるのも、晴正さんが他の女性のところへ行くのも、振られるのも、全部ぜんぶ、怖かった──んんっ!」
二回目のキスは、性急で荒々しいキスだった。次第に濃厚になっていき、初心者の私は息が止まりそうだ。
「ふぁっ」
「可愛い」
ちゅっちゅと沢山キスが降ってくる。涙も全部拭われ、離れていた時間を埋めるように力強くギューッと抱き締められた。
そしてまた、数えきれないほどキスをする。いっぱいいっぱいになりながら、晴正さんの顔を覗くと、嬉しそうに柔らかい笑顔で私を見つめていた。
きゅんとしすぎて、胸が苦しい。
どのくらいそうしていたのか、唇がジンと熱を持っている。「このままだと歯止めが効かなくなる」と余裕のない表情で晴正さんが言った。
そっと身体が離れていく。名残惜しくて、思わず彼の袖を握ると、「止められなくなるから、そんな顔しないで」と困ったように、またキスをされた。
そうして、今度こそ離れると、ポケットから小さな箱を取り出した晴正さんは、片膝をついた。その箱の蓋を開けながら、こう言ったのだ。
「高峰美月さん、俺と、結婚してください。君とこれから先ずっと一緒にいたい。一生君を大切にする」
「!!」
二次元でしか見たことがなかった、理想のプロポーズ。
リアルなイケメンが、私の大好きな人が、私に求婚してくれて、驚きと歓喜で涙が滲む。
私の答えはもちろん──
「はい!」
応えた瞬間、また抱き締められた。
ああ、せっかく拭ってもらった涙が、また溢れていく。だけど、今度は二人分。そして嬉し涙だ。