一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
この部屋に入ってきたのは、我らがボス。成沢弁護士事務所の所長、成沢誠その人だったのだ。
その隣には、所長の奥様である麗華さん。麗華さんはアパレル会社の社長だと聞いている。
動揺を隠して立ち上がり頭を下げた。うまく誤魔化せただろうか。驚いた顔をしてなかったか不安になった。
どういうことだ。不倫相手だと思っていた所長は、彼女の実家に現れた。奥様と一緒に。まるで、この家の主人のように。
(つまり……!!?)
「待たせて悪かったね」
「……いえ、お忙しい中お時間をいただきましてありがとうございます。西園寺晴正と申します」
ある仮説を瞬時に立て、その通りであることを願いながら挨拶を絞り出した。
「んまぁ! いっけめーん! かっこいい! 身長何センチ? 体重は? ウエストは? こんなかっこいい弁護士先生いるのねー! んもうっ! 誠さんたら! 何でうちの顧問弁護士は、あのヒゲメガネさんなのよ!」
麗華さんの突然のマシンガントークに驚いて声が出ない。さすがに驚いた顔をしてしまった。
「ヒゲメガネさんは優秀だろ。麗華ちゃんに浮気心が芽生えたら困るからさ☆ 若いイケメンはダーメっ」
「あらやだ! 私が誠さん一筋って知ってるくせにー!」
突然のイチャイチャ。やはり所長は愛妻家ということで間違いないようだ。
(つまり、つまり……!!)
「……ヒゲメガネさんとは、柴田先生のことです」
コソッと高峰さんが耳打ちしてきた。
(そうなんだー。柴田先生か……って、ちっがーう!!!)
いや、いやいや、知ってるよ! 麗華さんのアパレル会社の顧問弁護士は、うちの事務所の柴田先生だ! 髭がダンディで、眼鏡が似合う、うちの超やり手弁護士だよね!
たぶん大事なこと俺に言い忘れてるよ! こんなことなら事前に彼女から戸籍謄本を提出してもらうんだった!
その隣には、所長の奥様である麗華さん。麗華さんはアパレル会社の社長だと聞いている。
動揺を隠して立ち上がり頭を下げた。うまく誤魔化せただろうか。驚いた顔をしてなかったか不安になった。
どういうことだ。不倫相手だと思っていた所長は、彼女の実家に現れた。奥様と一緒に。まるで、この家の主人のように。
(つまり……!!?)
「待たせて悪かったね」
「……いえ、お忙しい中お時間をいただきましてありがとうございます。西園寺晴正と申します」
ある仮説を瞬時に立て、その通りであることを願いながら挨拶を絞り出した。
「んまぁ! いっけめーん! かっこいい! 身長何センチ? 体重は? ウエストは? こんなかっこいい弁護士先生いるのねー! んもうっ! 誠さんたら! 何でうちの顧問弁護士は、あのヒゲメガネさんなのよ!」
麗華さんの突然のマシンガントークに驚いて声が出ない。さすがに驚いた顔をしてしまった。
「ヒゲメガネさんは優秀だろ。麗華ちゃんに浮気心が芽生えたら困るからさ☆ 若いイケメンはダーメっ」
「あらやだ! 私が誠さん一筋って知ってるくせにー!」
突然のイチャイチャ。やはり所長は愛妻家ということで間違いないようだ。
(つまり、つまり……!!)
「……ヒゲメガネさんとは、柴田先生のことです」
コソッと高峰さんが耳打ちしてきた。
(そうなんだー。柴田先生か……って、ちっがーう!!!)
いや、いやいや、知ってるよ! 麗華さんのアパレル会社の顧問弁護士は、うちの事務所の柴田先生だ! 髭がダンディで、眼鏡が似合う、うちの超やり手弁護士だよね!
たぶん大事なこと俺に言い忘れてるよ! こんなことなら事前に彼女から戸籍謄本を提出してもらうんだった!