一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約


「んふふふー」
「美月さん? 大丈夫? 家に着いたよ!」
「わたし、殿方と腕を組んだのは生まれて初めてですー! ふふふふ」

 美味しいカクテルを何杯か飲みまして、私とっても良い気分ですー!

 目の前にはイケメン!まるでゲームの世界のヒロインみたい!

「夢みたいです!」
「そんなに喜んでもらえたならよかったよ」

 目の前のイケメンが微笑む。お酒を飲んで、夜も更けてきたからか、少ししっとりとした雰囲気。切れ長の瞳がこちらをじっと見つめてくる。かっこいいなぁ。

 しかし、このイケメンの攻略はむずかしそう。

 どんな選択肢を選べば、ハッピーエンドなんだろう?

 私は偽物の婚約者。
この場合、ハッピーエンドってどんな状態を指すのかしら? 

「うーん?」
「お水持ってくるから座ってて。気分は悪くない?」

 イケメンが慌てている。寝室に誘導された私はベッドに転がる。

「はるまささんにお持ち帰りされましたー!」

 笑いながらそう言うと、晴正さんがピタっと動きを止めた。
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