一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
 翌朝。夏本番といった調子で、早朝から太陽が燦々と降り注ぐ室内。

 カーテンを閉めていても少し眩しくて、私は目を覚ました。もう少し微睡んでいようかな、と寝返りを打って、ギョッとする。

 目の前に、とても美しい寝顔が!!

 そうして私は昨日の買い物のことを思い出した。


* * *


 海が見えるこの通りは、お洒落な雑貨屋さんが立ち並んでいて、とても心踊る。

 調理器具や食器、少し家電も見た。

「ご飯は無理して作らなくても良いよ。でも、余裕がある時だけでいいから、作ってくれたら嬉しい」

 手料理にワクワクした様子の晴正さんが、ワクワクを抑えきれずに炊飯器を即決した後言った。そんなお顔じゃ説得力がないですよ。

「はい。お口に合うか分かりませんが精一杯作りますね」

 そう言うと、「いや、美月も働いてるわけだから……」なんてボソボソ言いながら、嬉しそうなお顔。可愛い。
< 59 / 142 >

この作品をシェア

pagetop