一途な敏腕弁護士と甘々な偽装婚約
***

 晴正さんに強引に押し切られて、お布団は買わなかった。

 昨日は楽しいお酒だったけれど、最後の方は記憶があやふやだ。やはり私はあまり飲まない方が良いのだろう。

 だけど覚えているのは、キラキラの夜景と沢山笑った記憶。とてもとても楽しかった。
男性が怖かったはずなのに、不思議。

 二人きりでも、こうして側で寝ていても、晴正さんなら平気。

 彼の優しい雰囲気のせいか、気遣いのお陰だろうか。仕事においても、いつも自分のことは後回しにして、食事や睡眠さえ忘れてクライアントの為に頑張る晴正さん。
 きっと私にも色々気を使ってくださっているのだろう。

「ありがとうございます。晴正さん」

 そして私は無意識に、晴正さんの頭をなでなでしてしまって。やはりその髪の毛は、ふわふわで、とっても気持ちが良い。

 さて、朝食の準備をしましょう!
飲んだ次の日は軽く胃に優しいものでも。
< 61 / 142 >

この作品をシェア

pagetop