legal office(法律事務所)に恋の罠
「和奏さん、こちらにも例の外国人が・・・」

受け付けから、ヘルプのコールが入る。

海外からのお客も受け入れるグローバルなホテルであるHotel Blooming東京では、事件を起こす人もグローバルだ。

「How may I help you?」

奏と和奏は揃ってフロントへ移動し、英語で対応する。

このCEOと女性弁護士による素早い対応が、問題を水際で食い止め、お客の不満も最小限で押さえることができていた。

法律に詳しい人物の存在だけでは暴力行為には勝てないこともある。

しかし、司法は正義を代表する。

迷惑行為を平然と行う品のない客の増加に、常連客の足が遠退きそうになったこともあったが、和奏の常駐でそれも減りつつあり、客足も、評判も戻ってきた。

女性スタッフからは待遇が改善された満足の声が聞かれるようになり、離職率が減る傾向にある。

何より、

若きCEOと美人弁護士が連れだって歩く様子は、一種のホテル名物と呼ばれ、二人の姿を揃って見ることが出来た者は、幸せな結婚ができるとのジンクスも生まれ、集客率もアップに繋がった。

「奏さん、私に任せておけないからこうしてついて廻るのですか?」

時には、和奏も奏に不満を漏らす。

「違うよ。君が誰かに口説かれるのが嫌なんだ」

時間を見つけては、ホテル内を巡回する和奏に追随する奏。

囁き合う二人、むくれる和奏を見ることができたら生唾もだ。

スタッフの中でも一度は目にしたいシーンと噂されている。

legal officeに仕掛けられた悪意のある罠は、形を変えて最高の形で幕を閉じた。

ホテルという最高の舞台で、輝く和奏と奏を連れて・・・。



Fin
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