legal office(法律事務所)に恋の罠
今回の相談は、21才の音大生である桜坂莉音(さくらざかりおん)から持ち込まれたもの。

大学生の彼女は、世界展開しているHotel Bloomingの会長の孫で、生粋のお嬢様。

友人に誘われ、うっかり参加してしまった初めての合同コンパで、有名私立大学に通うボンボンの仲川将生23才と知り合った。

将生は見た目こそ爽やか系のイケメン。

男慣れしていなかった莉音は、将生の囁く甘言に騙され、まんまと毒牙に嵌まってしまった。

お嬢様の莉音は、お金に不自由をしたことがない。

また、小学校からずっと女子高に通っていたため、男性に免疫がなく、初めての彼氏の言いなりになることが愛情を示す唯一の手段だと信じてしまった。

デートの費用はすべて莉音持ち。

初めは何の疑問も抱いていなかった莉音だが、門限も厳しく、身持ちの固い莉音がなかなか身体を許さないでいると次第に酔って手を上げるようになってきた。

デートDVだ。

幸い、莉音は実家から大学に通っていたため、莉音の家に将生が入り浸るという出来事は発生しなかったが、大学の行き帰りに待ち伏せしてお金を無心してきたり、無理やりホテルに連れ込もうとするなどの事態に発展した。

叱られるのが怖くて、莉音は両親には相談出来ずにいたが、絶妙なタイミングでアメリカから帰国してきた兄、桜坂奏(さくらざかかなで)29才にすべてを打ち明けた。

若干、男性不振に陥った妹:莉音を配慮して、奏は女性警察官の直美に捜査を依頼した。

直美を通じて、女性専任弁護士である和奏を紹介され、今回の事件解決に至ったというわけだ。

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